【読書レポ】「小児性愛」という病 斉藤章佳著 「認知の歪み」の恐ろしさ
こんにちは!
ずっと気になっていたこちらの本を読みました!
最近Twitterでラブドールを購入した漫画家が炎上し、Twitterアカウントを凍結されるという出来事がありましたね。
賛否両論はあるとは思いますが、個人的には「ラブドールは性犯罪防止にもなる!」という大声の論調に対しては「うーん」ともやもやしているのもあり、とても参考になりました。
では細かい感想レポです!
ラブドール、児童ポルノ、セックスドールは小児性愛者にとって抑止力になりえるか
こちら、なんとこの著者が行っている小児性愛者の更生プログラムのためのグループミーティングでメンバーが満場一致で「NO」という答えがでたということです。
もちろん一つ加えておきたいのはこの参加している方のほとんどが小児への虐待の加害者であるという点。
自認していても犯罪に走っていない方もいるのであしからず。
中には依存のようになっており、気が付けば小さな子供を追いかけてしまうなどという患者もいますが、この結果は驚きです。
この本の中ではなぜ子供に性的虐待を行うのかを著者が専門的な観点でも論じています。
男尊女卑
日本は先進国でありながらジェンダーギャップ指数が低い国です。
その順位に賛否両論はあるのは置いといて、やはり心の中で「女は家事」、「男は仕事」という価値観があるのは私も否めません。
そのため、「女性はかわいらしく」、「男性は男らしく」という価値観が今でもはびこってしまうんですよね…
女性のセクハラも昔よりは減っていますが、やはり「女性なら気遣い」など社会で言われたりも私もあります。
それと同時にあるのは男性の「男らしく」という言葉ではないでしょうか
男らしい女子供を養える男が今でももてはやされる時代ではあります。
が、すべての男がそうではないのも事実。
それにもれてしまい、自身を無くした男性が幼い子供にその自分を認めてほしい欲求がいくと本では語られておりました。
また日本の独特なカルチャーでもある「かわいい」についても著者は指摘しています。
かわいいについて
かわいいという意味は古来では「可哀そう」からきている言葉であるというのは割と有名な話ですよね。
それが転じて愛でる意味でもつかわれるようになりましたが、自分より下のものを愛でるという文化はやはり日本はあると指摘しています。
つまり支配力を人間である子供にむけているのです
恐ろしい認知の歪み
こちら著者の方のインタビュー記事になります。
もう、ね、無料で見れる範囲からとんでもない文章ありますよね…。
「そりゃセックスもしましたよ。恋人同士ですもん。それを周りの人たちが、ぶち壊したんです。私がロリコンで、Yちゃんは被害者だといって引き離したんです。
私はそんな人達によって犯罪者にさせられました。おかしいのはどっちだっていいたいです……」
子供がいない私ですら背筋が凍るような文章です。
刑務所にいて、実際に事件になっているというのにこの認知。
本の冒頭には子供とのわいせつなやり取りを詳細に日記に記している人もいました。
その中では「その子は喜んでいた」という関係ない私が見ても怒りを覚えてしまう文章がありました。
これが「認知の歪み」です。
加害者はやってはいけない行為を正当化し「同意の上だった」という幻想を得たいがために「認知の歪み」を行うとのことです。
先日記事に書いたジェニーの記憶も「家族を超えた関係」などといって40歳の男が13歳に性的虐待を行いました。
まさにこれらも「認知の歪み」でしょう。
本の前書きには「小児性愛者だって人間」という言葉がありました。
だからこそ治療をする必要性を書いていました。
が、本文ではとんでもない「認知の歪み」を持つ加害者に対して怒りを持っているような印象を受けました。
加害者がおこなったことは罪深いことなのだと伝えても治療プログラムに来なくなる人もいるということ。
「認知の歪み」のせいで世に出ない被害者が増えることが一番いけないことでしょう。
定期的にSNSで話題に上がる問題についてとてもいい指摘をされる良書だと思います
ぜひぜひ